No.003 自分の話を「したい人」自分について「聞きたい」人

人と会って話すことそのものを仕事にしていますと、大まかに2つのパターンがあることがわかってきます。

(A)自分の話をしたい人
(B)自分について聞きたい人


(A)は時間中99%、言葉が途切れることなくご自身の状況や不安などをお話になられます。『ご自分のための時間』を対価を払って確保していらっしゃるので、上手なお金の使い方をなさっていると思います。

このような方は、周囲に迷惑や負担をかけない、気遣いと優しさがある方です。


(B)は、私が『その方を主役としたストーリー・世界観』をお聞かせすることをとても楽しみにしてくださっていて、言葉の選び方、例え方や、笑える点が多くてとにかく面白いとおっしゃってくださいます。

このような方は、普段から他者に対してサービス精神旺盛なので、ご自身にも時にはエンタメ的要素をお求めになるのです。


私はこの両方いずれも得意としていますが、私自身の特性を最も発揮できるのは(B)のご対応です。その方に軸を置いて、ステージを作り、照明や音楽や背景セット、そして観客やどんなエリアのホールにするのか、といったような設定を、初めて会う方に対して即興で組み立ててお話していきます。(制限時間は45分)

ひとりひとり、違うものができていきますのでおもしろいんですよね。


自発的な商売・仕事には、おもしろさを感じることは不可欠です。だけれども、毎日(B)だけをやり続けると私自身のアウトプットだけになってしまいます。(A)のように忍耐強くどなたかのお話を聞き続けることで、ベースのインプットをさせてもらっているのだろうなと感じています。


自分で商売をやるということは、"自分を中心に置く" ことです。付属ではありません。中心があるということは左右、上下、好き嫌い、ラクとしんどい、貸借、などの相反するバランスを自分を軸にしてしっかり取ることが必要になります。でも量・質的に対称になることは殆どないでしょう。物量的には「しんどい」「忍耐」的なことの方が大きくなるはずです。しかしこれができなければ、"ただの趣味" になってしまいます。"趣味が仕事になる"  人は、この負荷バランスを受け入れ、立ち向かえる人なのです。

楽しそう、美しい、などの表の世界に必ず存在する  "舞台裏"、これがどれだけカオスでぐちゃぐちゃで重労働かは誰だって知っているはずです。表舞台だけを切り取っての成立などあり得ませんね。独立開業のご相談をたくさんいただきますが、独立開業で継続してやっていくことに必要なのは、"ポジティブ系ハイテンション表現力"よりも、"黙って地道にやれる潜水力"です。SNSなどであまり簡単に「やってる感」を出してしまうと、自己満足が先に立ってしまい、中身が伴っていないのに「やれてる自分」の幻想を抱いてしまいます。

これらはコンサルやカウンセリングなどの「知識資格」ありきで書いているのではなく、こんな経験をしてきました、という経験記録に過ぎません。

自分自身のこともしっかり考えていかないとな〜(考えているようで、やっぱり考えていない・・・)


maki

このブログの人気の投稿

No.016 ご褒美

No.017 Brigitte Bardot - La madrague

No.018 器用な人ほどシンプルに